2018年3月21日-トランプ政権は、次の国からの輸入品については米通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミ関税の適用を暫定的に停止することを発表した。
- カナダ
- メキシコ
- アルゼンチン
- オーストラリア
- ブラジル
- 韓国
- 欧州連合(EU)
本発表は、本日付(2018年3月22日)で新関税(鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%)が導入される直前になされたものである。当事務所では、このような暫定的な適用除外は、関税に関して最終的に発令される大統領令に反映されるものと予想している。
一方、トランプ政権がこれらの国に対してどのくらいの期間にわたって適用除外を認めるのかについては定かではない。また、カナダとドイツは、米国市場への鉄鋼供給において主要サプライヤーでありながら、両国ともに適用除外国リストに含まれている。トランプ大統領は、現在行われている各国との通商交渉の結果を基に、国別の適用除外を継続するか否かを判断するものと思われる。それと同時に、トランプ大統領は、新関税の適用対象となる国々から貿易特権を得ることを期待しているとも見受けられている。
現在のところ、日本は適用除外国リストに含まれていない。しかしながら、今週前半に日本の経済産業相は、日本のサプライヤーが提供する「比類ない」鉄鋼アルミ製品が、品目別の適用除外を確保できる可能性は高いとの見方を示した。
日本と同様に、中国も適用除外国に指名されていない。なお、中国は、米通商代表部(USTR)が米国企業の知的財産権を侵害していると判断した中国の政策への制裁措置を目的とする更なる関税賦課の対象にもなっている。1974年米通商法301条に基づく新関税の対象となる中国製品の具体的な製品リストは、これから2週間後に明らかになると思われる。
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