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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

バイデン大統領による「アメリカ経済における競争の促進に関する大統領令」の影響

8.18.21
関連業務分野 商事/競争/取引

2021年7月9日、ジョー・バイデン大統領は、「アメリカ経済における競争の促進に関する大統領令」(以下、「本大統領令」)と題する包括的な大統領令に署名し、「産業の過度な集中、市場支配力の濫用、独占およびモノプソニーによる悪影響に対抗するために、独占禁止法規のエンフォースメントを行う」というバイデン政権の方針を再確認しました。この目的を達成するために、本大統領令は、規制当局に対し、特定のビジネス慣行に対する監視を強めるよう指示するとともに、規則の策定および強化を促しています。本大統領令には、10以上の連邦政府機関による72の取り組みが含まれています。

本大統領令は、労働市場、農業市場、インターネット・プラットフォーム産業、ヘルスケア市場(保険、病院、処方薬市場を含む)、修理市場及び外国のカルテル行為に直接影響を受ける米国市場という分野が具体的に言及しています。本大統領令の対象は広範である一方で、本大統領令自体は新たな規制や法律を創設するものではなく、具体的な影響は曖昧なままです。

本大統領令の影響は独占禁止法分野に限定されるものではありませんが、本大統領令はバイデン政権が当該分野を重視していることを反映しています。例えば、本大統領令では、米国司法省(DOJ)および銀行を所管する他の機関に対し、銀行の合併に関するガイドラインを更新し、合併の精査を強化するよう求めています。また、米国司法省および連邦取引委員会(FTC)に対しては、過去の「悪い合併」に対するアクションを行うことも奨励しており、過去の政権下では問題とならなかった合併についても、将来的には問題になる可能性があります。また、本大統領令は、連邦取引委員会に対し、機器製造業者が消費者の「修理権」を制限することを禁止するよう求めています。

その他の影響を受ける法分野としては、労働・雇用(例えば競業避止契約)、消費者保護(例えばファイナンシャル・データ・ポータビリティ)が挙げられますが、これらに限定されるものではありません。米国で相当程度の活動を行っている企業は、本大統領令が自社の事業に与える影響を評価し、本大統領令に含まれる取組みの具体化に備える必要があります。

© 2024 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。