概要
当事務所発行のクライアント・アドバイザリー(2021年3月26日発行)でお知らせした通り、米国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency)(「EPA」)は、2021年1月21日、難分解性、生体内蓄積性および毒性物質(「PBT物質」)とみなされる5種類の化学物質にさらされる危険性を軽減するために、有害物質規制法(Toxic Substances Control Act)の下で5つの最終規則を発表しました。最終規則が適用される5種のPBT物質の一つに、リン酸トリス(イソプロピルフェニル)(3:1)(「PIP(3:1)」)があります。PIP(3:1)の規制に関する最終規則(「本最終規則」)は、2021年2月5日に発効し、2021年3月8日以降、PIP(3:1)を含有する製品や物品を含め、商取引におけるPIP(3:1)の処理および流通・販売を禁じています。
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2021年3月8日、EPAは、本最終規則の下で執行裁量権を行使し、2021年3月8日から180日間、すなわち2021年9月4日午後11時59分 までは、企業が本最終規則の適用対象であるPIP(3:1)含有製品の製造および販売を継続した場合でも、違反に対する執行措置は取らないことを示すノーアクション保証を発表しました。
本記事の執筆時点(2021年9月3日現在)において、本最終規則またはノーアクション保証に関するEPAからの更なるガイダンスまたは声明の発表はありません。したがって、PIP (3:1)含有製品を製造または販売する企業は、EPAが新たな暫定最終規則またはノーアクション保証期間の延長を発表しない限り、本最終規則およびその規定が、ノーアクション保証期間が失効する2021年9月4日午後11時59分に完全に発効する可能性があることに備えるべきです。当事務所では、引き続き今後の動向を注視するとともに、新たな進展があり次第、追ってお知らせするようにします。
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