2024年12月2日現在、日本国籍保有者は、在留資格にかかわらず、グローバル・エントリー・プログラム(Global Entry Trusted Traveler Program)の参加資格を有しています。米国税関・国境取締局(US Customs and Border Protection)が管轄するこのプログラムは、米国への渡航を促進するもので、グローバル・エントリーの資格を保持する渡航者は、入国審査の列に並ぶ必要はありません。ただし、グローバル・エントリーの申請をする際に事前に提出した生体認証データ(biometric data)に基づき、空港の電子キオスクで入国税関手続を済ませる必要があります。
グローバル・エントリーの資格を取得できたのは、以前は、米国永住者(グリーンカード保有者)のみでしたが、現在、グローバル・エントリーの資格は、すべての日本国籍保有者、特に非移民ビザ取得者またはESTAの取得者に認められています。この資格により、入国審査が簡略化され、通常の入国審査の面接も不要となるため手続も迅速になりますが、免税範囲を超える海外での購入品に関する税関での申告義務が免除されるわけではありません。
日本国籍保有者は、米国税関・国境取締局のウェブサイト(Global Entry for Citizens of Japan | U.S. Customs and Border Protection)でグローバル・エントリーのオンライン申請を行います。仮承認を得た申請者は、米国の入国港の米国税関・国境取締局で面接を行い手続を済ませることになります。多くの場合、海外の申請者は米国に到着した時点で面接を受けることができます。
グローバル・エントリーの申請手続には、米国税関・国境取締局への120ドルの手数料が必要ですが、申請が承認されれば、グローバル・エントリーの資格は5年間有効となります。グローバル・エントリーの資格が認められると、当該申請者は、TSA Pre-Check(事前審査)の資格も自動的に取得することができ、米国国内外の旅行で手続を迅速に済ませることができるため、取得できるのであれば、TSA Pre-Check(事前審査)よりもグローバル・エントリーの資格を取得するほうが望ましいというのが、私共の見解です。
5年間を有効期間とするTSA Pre-Checkの資格の申請に85.00ドルが必要であることを踏まえると、120ドルを支払いグローバル・エントリーの資格とTSA Pre-Checkの資格の両方を取得する価値はあるといえるでしょう。
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