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【PPPローン】米国内国歳入庁(IRS)、二重取りを認めないことを再確認

11.30.20

概要
 

給与保護プログラム(Paycheck Protection Program)のもとでの借入(「PPPローン」)の債務返済を免除される、または免除が合理的に期待される会社は、PPPローンをその支払いに充当した従業員の給与費用、不動産ローン利息返済、賃借料(レント)または水道光熱費(「CARES法注の適用対象経費」)を損金算入することができません。この米国内国歳入庁(「IRS」)のポジションは、2020年5月に、通知2020-32で最初に示されました。IRSは、2020年11月18日に、歳入規則(Revenue Rule)2020-27及び歳入手順(Revenue Procedure)2020-51(「新規ガイダンス」)を発表し、通知2020-32で示されたポジションについてさらに強調しました。

しかし、新規ガイダンスでは、PPPローン資金の全部または一部がCARES法の適用対象経費の支払いに充当されなかった場合、税務上そのような経費の損益算入は可能かという点や、全融資額の返済が免除されなかった場合、損金算入額をどのように按分するかという点は明らかにされていません。したがって、米国議会でIRSのポジションを覆すような法案が可決されない限り、更なる明確化が必要な点が残ります。

2002年5月、米国財務省とIRSは、通知2020-32, 2020-21 IRB 837(「通知2020-32」)を発表しました。本通知の内容は、PPPローンの借手が同ローン資金をCARES法の適用対象経費の支払いに充当し、かつ借手の債務返済が免除された場合、かかるCARES法の適用対象経費の損金算入は認められないというものでした。これは、IRSが、返済が免除されたPPPローンの債務額は、CARE法第1106(i)節により総所得に含まれないものと特に定められており、CARES法の適用対象経費の損金算入を認めることは二重の税制優遇措置または二重取りとなるというポジションをとっているためです。

2020年11月18日、IRSは、歳入規則2020-27(「本歳入規則」)および歳入手順2020-51(「本歳入手順」)を発表し、通知2020-32で示されたポジションを強調しました。したがって、現時点では、PPPローンの債務返済を免除される、または免除が合理的に期待される会社は、2020年度納税申告の際に、CARES法の適用対象経費を損金算入することができません。これは、PPPローン返済免除の申請をまだしていない場合や2021年に申請する場合も同様です。本歳入手順では、PPPローン資金の全部または一部がCARES法の適用対象経費の支払いに充当されなかった場合に税務上かかる経費の控除が可能かという点、および全借入金額の返済免除が認められなかった場合に損金算入額をどのように按分するかという点は明らかにされていません。そのため、さらに明確にされなければならない点が残されています。

本歳入手順には、PPPローンの返済の(全部または一部の)免除が拒否された会社や、2020年度納税申告・修正納税申告、行政調整請求(administrative adjustment request)または2021年度納税申告においてPPPローンの返済免除を求めないこととした会社についてセーフハーバー・ルールが設けられています。セーフハーバーは、所定の「歳入手順申請書(Revenue Procedure 2020-51 Statement)」を該当する納税申告書に添付して提出した場合にのみ適用されます。

PPPローンの借手の債務返済が後に免除された場合、CARES法の適用対象経費の損金算入が認められるのかという点について、CARES法は具体的に言及していません。CARE法第1106(i)節には、PPPローンの返済免除額は総所得に含まれないことが具体的に定められています。IRSが最初に通知2020-32を発表したとき、米国議会の議員らは、その見解に異議を唱えていました。さらに、上院財政委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党、アイオワ州)とロン・ワイデン議員(民主党、オレゴン州)は、2020年11月19日に共同声明を発表し、「通常必要とされる事業経費(ordinary and necessary business expenses)」の損金算入を認めることがCARES法の意図であると改めて表明しました。そのため、議会は、両党の支持を受け、IRSのポジションを覆す法案を可決することになるかもしれません。

PPPローンに関してご質問などございましたら、ジェニファー・ワトソン弁護士 (Email: JWatson@masudafunai.com)またはコーポレート/ファイナンス/M&A部門の所属弁護士までご連絡ください。なお日本語サポートをご希望の場合は、クライアント・サービス部門の徳吉(Email: Ftokuyoshi@masudafunai.com)までお問い合わせください。


CARES Act(コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法)

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